限界はなかなか超えられません

http://news.livedoor.com/topics/detail/2984796/
http://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20070117-143430.html
−−以下引用−−
(ロイターから)
カリフォルニア州のラジオ局が、トイレに行かずにどれだけ水を飲めるかというコンテストを開催し、参加した28歳の女性が死亡した。
…中略…
今月12日、サクラメントの地元ラジオ局KDND─FMが番組の一環として「トイレを我慢してWiiを当てよう」と銘打ち、任天堂の新型ゲーム機「Wii(ウィー)」を賭けて行われた。
 亡くなった女性は3児の母で、子供のためにゲーム機を当てようと6.5リットルの水を飲み、2位だったという。コンテスト終了後に体調の不良を訴え、5時間後に自宅で死亡しているのが見つかった。
(日刊スポーツから)
大会は、参加者に15分ごとに水8オンス(約226ミリリットル)入りのペットボトルを手渡し、飲み干させていた。
−−以上引用−−
 あー…トイレがまんね…考えた人は面白半分だったんだろうけど、トイレに行けないことがどれだけまずいかってのと、水飲ませ続けてどうなるかっていう想像力がなかったのはいただけませんなぁ。 まあ軽く検証しときますか。
 とりあえず普通の人は尿量が1000〜1500ml/日。
 膀胱にためられるのは300〜500ml(個人差)。 尿意が来るのが150〜300ml。
 不感蒸泄(なんもしなくても勝手に失われる水分量)が900ml/日。
 1日あたり2000mlくらい失って、トイレに行くのは5回前後か?
 あと、体重60kgの人で血漿(≠血液、まあ赤血球抜いたと思って)量は5%の3000ml。
 そこにじわじわと6Lが入ってくるわけですよ。 まあ全量が腸管から吸収されるわけではないにしろ、血液はかなり薄まりますなぁ。 低浸透圧性の血液は脳に行くと脳内に水分を移行させるので(細胞の中の方が浸透圧高い、水は細胞間を自由に移動できる)脳浮腫になってあららー。 そういうわけで血漿の浸透圧は一定に保たれなきゃならんので、体は頑張って元に戻そうとする。 今回の場合は薄い尿を大量に出したいわけなんだけど、Wiiが欲しいからううーがまんがまんってなる。 膀胱はパンパンになって、そのうち腎臓から水や老廃物が排出できないようになる。 水や老廃物はたまる一方。 なむ。
 スポーツドリンク使えば少しはましだったと思うんだけどなー。 まあ、商品を争って人間の我慢の限界に挑戦させるときは医者呼んどけって。 でも、これ1位になってWiiもらえても、そのあと病院に行ったら治療にかかるお金で割とパーな気がするよ。 素直にWii買っときゃ良かったのに。 「買うんじゃダメなんだ」? まあ勝手にどうぞ。 防ぎえた事故だっただけに女の人と残された子供たちは可哀想でしたが。